しばいぬメモ ブログ

柴犬のいる暮らし、躾や世話についての日記

里親になって二週間、爪切りと歯磨きは?



2022年1月14日

 黒柴カナデさんの里親になって二週間となった朝は、雲一つない快晴なり。爽やか〜。


 「さあて、カナちゃん、今日は南の海岸に行くよ。」と、声を掛ければ(ん?どこかしらん?)

 キョトンするカナデさん。


 カナデは臆病な性格なので、新しい刺激を楽しめるように、また迷子になった時にでも、家に戻って来られるように、まだコースを定めずに四方八方あらゆる道を歩かせている。


 「ツイテ」の歩行訓練は順調に改善されつつあり、今は下り階段で引っ張らないよう

にすることと、平地では角を曲がる度に「ミギ」「ヒダリ」と声掛けしている段階だ。

 これを覚えてくれたら山や雑木林を一緒に歩いてみたいな。


「カナデ、こっち、おいで〜」(はいはい、次はどっち行くの?)

 だいぶ信頼関係が築けてきたと感じたので、そろそろ歯磨きと爪切りを開始

しようと思う。


 家に帰って食事をあげて一休み、落ち着いたら僕はカナデの口の中に指を入れて

歯や歯茎をいじりまわす。相手が人間だったら間違いなく人権侵害だよな。 


 指は無事でありカナデに噛まれることはない。

指を口から外して真っ黒い鼻先をチョンと触われば、カナデは指先をペロッと舐めた。

「カナちゃん、体は小さいけれど、案外犬歯は長いじゃん。カッコいいよ。」

 ホントに小型のオオカミみたいだな、と感心する。

 

 さあて、条件は整った。歯ブラシを持ってこよう。

(続・爪切りと歯磨きは?につづく。)

その2、難題、耳掃除と爪切りと歯磨きは。



2022年1月11日

 イヌはヒトの行動を真似て同調しようとする。


 先代犬であった我が家の秋田犬と子ども達の写真。

 実はこの写真で秋田県主催の秋田犬フォトコンテストで準グランプリを頂いた。

これは偶然のシャッターチャンスではなくて、散歩に出る前に僕は子ども達には、

こう指示しておいた。

「岸壁の、あそこの角辺りでお父さん合図を出すから、そうしたら一斉に擁壁に手

かけて、海の沖を見つめてみて。きっと天鵬(犬の名)も真似して立ち上がって海を

見ると思うから。」


 そうして、打ち合わせポイントを通過する際に「今だ!」と合図をすると、秋田犬

は(え?何があるの?ボクも見る)と、子ども達の横に並んで状況把握に乗り出した。

  おっ、予想通りの展開だ「パシャ。」

 撮影ポイントに近付くと僕はカメラの電源を入れていつでもシャッターを切れるよ

うにしておいた。


 世界の代表的な犬種の遺伝子とオオカミの遺伝子を比較したら、柴犬が最もオオカミ

に近く、3位が秋田犬であったとの研究報告がある。つまりは日本犬の心理、行動につ

いてはオオカミの習性を参考にする、というのが僕の日本犬の躾やケア対する姿勢で

ある。

オオカミは群れやボスの行動を良く模倣し、また秋田犬もそうであった。


  先代犬の秋田犬は耳掃除、爪切り、歯磨きは全く怖がらずに、むしろ好きなぐらいで

あったのだが、シャンプーはやや苦手で終えた後は(モウ!酷い目に遭った)と毎回少し

怒っていたが、ある時に僕が自分の頭髪のシャンプーする様子を先に秋田犬に見せて

から、犬を洗ったら(そうか、そうするものなのか)と、理解してその後からは怒らなく

なった。


 柴犬のカナデさんは怖がりであるけれども、ヒトの行動の模倣と理解する力は備わっているのでは、と信じて躾を進めてゆく。

 

 耳掃除の準備として日頃から耳をいじったり、覗いたり、耳の付け根の軟骨部分をポコ

ポコ凹ましたりして、カナデさんの機嫌を損ねないようにこれまでしてきたが、後ろ脚

爪で耳の中をホジる動作をしたので、「カナデさん、ちょっと耳の中見せてごらん。」

と覗くと、赤茶色い耳垢が見えた。「こりゃ、取りたいなあ、それにしても耳の中の迷路の細かいこと。」秋田犬と比較して1/4スケールだな、と思った。

 「カナデ、ちょっと待っててね。」と言って洗面所にある綿棒を手に持って戻ってきた

ら、それを察してカナデはとっとこ逃げてしまう。


 うーむ、敏感で賢いな、それじゃあ、作戦変更して「お風呂に入ろう」とシャンプー

の準備に取り掛かる。僕は裸になって、先ずは自分の頭髪のシャンプーをカナデに見せ

てから、黒柴の脚先からお湯をかけ始める。「そう、そう、お利口だ」と褒め続けて初めてのシャンプーは順調に進んだ。

 シャンプーの終了間際に頭と顔を洗って、仕上げにドボドボと耳の中にお湯を入れて

しまう。耳の後ろの軟骨をポコポコ押せば、当然、カナデはブルブルと身体をひねって水切り動作となる。

僕はここでも「ブルブル〜」と発声した。


 風呂場から出て被毛を丹念にタオルで拭き上げたら、ティッシュを指に巻いて

カナデの耳の中に入れてグリグリすれば、ティッシュには赤茶色の耳垢が付いてきた。

 「カナデ、お利口だったねえ、オヤツをあげよう。」(エ、オヤツ!ちょうだい、

ちょうだい) と、ピョンピョン跳ねた。干した鹿肉をご褒美に与える。


  初の耳掃除とシャンプーは、なんとか無事に終了。メモ。


難題、耳掃除と爪切りと歯磨きは。




2022年1月8日

 カナデさん、故郷では海は見たことが無かったが、潮騒にも慣れてきた。

 

 躾の第一課題の「ツイテ」の歩行は散歩の復路ではだいぶ安定していて、

往路ではやや前のめり、であるものの、はやる排便の気持ちと、その若さでは

仕方ないと思えるレヴェルだ。

 

 ただ、「ツイテ」という言葉よりも、うまく歩けた時に僕が「上手、ジョウズ、」

と声かけしていたので、「ジョウズ」と、言うと歩調を合わせて僕の横について

歩く。まあ、指示の単語だけのことなので、それで良しとしよう。


 散歩から帰ってくると、玄関の前で「ブルブルは?」声を掛ければ、必ずブルブル

と体をシェイクした。よしよし、順調だ。玄関の中に入ると、次は脚拭き訓練だ。

 これについても、カナデさんにはこの儀式がなんとなく理解されつつある。

両前脚、両後ろ脚を拭かせてもらえるようになった。

 先代犬の秋田犬の時はもっと協力的で、しかも僕がウッカリ忘れて家に上がろう

とすると、(ちょっと待って、未だ脚拭いてないし)と、逆に犬がリードを引い僕に

知らせていたな。



 家に上がれば、食事だ。凄い食い意地であっという間に平らげてしまう。

 すると、自分のオモチャを次から次へと僕の前に運んできては、(あそぼ、遊んで

ちょうだい)と、膝あたりに擦り付けてくる。「あのね、食べてすぐに暴れて、

胃捻転になるといけないから、遊ばないよ。それよりじっとして休もうよ。」

 僕は膝の上に抱いて、そうっと背中をトントンする。


 カナデさんの遊びモードスイッチが切れた頃に、一旦はカナデを床に寝かせて、

自分用の爪切りを持ってきた。

「カナデ、抱っこするよ。」抱き上げて僕は椅子に腰かけると膝の上にカナデを

乗せ、バイクのタンデム(二人乗り)のような形になった。ちょうど僕の顎の下に

カナデの後頭部とピンと立った耳が見える格好にする。


 そして僕は自分の爪切りをカナデの目前で始めた。「パチン、パチン」

「ほら、ジロさん、爪切り怖くないよ、えらいでしょう、パチン、ねえ」

と、声を掛けつつ、爪を切り続けた。これは、爪切りの音が怖くないこと、

椅子に座ることに慣れさることが狙いである。これらが後々カナデさんの

爪切りへの伏線となるのだ。


 今日の躾はここまで。メモしておこう。