2022年1月11日
イヌはヒトの行動を真似て同調しようとする。
先代犬であった我が家の秋田犬と子ども達の写真。
実はこの写真で秋田県主催の秋田犬フォトコンテストで準グランプリを頂いた。
これは偶然のシャッターチャンスではなくて、散歩に出る前に僕は子ども達には、
こう指示しておいた。
「岸壁の、あそこの角辺りでお父さん合図を出すから、そうしたら一斉に擁壁に手
をかけて、海の沖を見つめてみて。きっと天鵬(犬の名)も真似して立ち上がって海を
見ると思うから。」
そうして、打ち合わせポイントを通過する際に「今だ!」と合図をすると、秋田犬
は(え?何があるの?ボクも見る)と、子ども達の横に並んで状況把握に乗り出した。
おっ、予想通りの展開だ「パシャ。」
撮影ポイントに近付くと僕はカメラの電源を入れていつでもシャッターを切れるよ
うにしておいた。
世界の代表的な犬種の遺伝子とオオカミの遺伝子を比較したら、柴犬が最もオオカミ
に近く、3位が秋田犬であったとの研究報告がある。つまりは日本犬の心理、行動につ
いてはオオカミの習性を参考にする、というのが僕の日本犬の躾やケア対する姿勢で
ある。
オオカミは群れやボスの行動を良く模倣し、また秋田犬もそうであった。
先代犬の秋田犬は耳掃除、爪切り、歯磨きは全く怖がらずに、むしろ好きなぐらいで
あったのだが、シャンプーはやや苦手で終えた後は(モウ!酷い目に遭った)と毎回少し
怒っていたが、ある時に僕が自分の頭髪のシャンプーする様子を先に秋田犬に見せて
から、犬を洗ったら(そうか、そうするものなのか)と、理解してその後からは怒らなく
なった。
柴犬のカナデさんは怖がりであるけれども、ヒトの行動の模倣と理解する力は備わっているのでは、と信じて躾を進めてゆく。
耳掃除の準備として日頃から耳をいじったり、覗いたり、耳の付け根の軟骨部分をポコ
ポコ凹ましたりして、カナデさんの機嫌を損ねないようにこれまでしてきたが、後ろ脚
爪で耳の中をホジる動作をしたので、「カナデさん、ちょっと耳の中見せてごらん。」
と覗くと、赤茶色い耳垢が見えた。「こりゃ、取りたいなあ、それにしても耳の中の迷路の細かいこと。」秋田犬と比較して1/4スケールだな、と思った。
「カナデ、ちょっと待っててね。」と言って洗面所にある綿棒を手に持って戻ってきた
ら、それを察してカナデはとっとこ逃げてしまう。
うーむ、敏感で賢いな、それじゃあ、作戦変更して「お風呂に入ろう」とシャンプー
の準備に取り掛かる。僕は裸になって、先ずは自分の頭髪のシャンプーをカナデに見せ
てから、黒柴の脚先からお湯をかけ始める。「そう、そう、お利口だ」と褒め続けて初めてのシャンプーは順調に進んだ。
シャンプーの終了間際に頭と顔を洗って、仕上げにドボドボと耳の中にお湯を入れて
しまう。耳の後ろの軟骨をポコポコ押せば、当然、カナデはブルブルと身体をひねって水切り動作となる。
僕はここでも「ブルブル〜」と発声した。
風呂場から出て被毛を丹念にタオルで拭き上げたら、ティッシュを指に巻いて
カナデの耳の中に入れてグリグリすれば、ティッシュには赤茶色の耳垢が付いてきた。
「カナデ、お利口だったねえ、オヤツをあげよう。」(エ、オヤツ!ちょうだい、
ちょうだい) と、ピョンピョン跳ねた。干した鹿肉をご褒美に与える。
初の耳掃除とシャンプーは、なんとか無事に終了。メモ。