職業、番犬。
2022年2月23日
僕が子供の頃の話。
動物の図鑑を見るのが好きだった。
犬の種類のページでは、使役の用途欄があって、愛玩犬、とか、牧羊犬、救助犬、警察犬、軍用犬、狩猟犬、ソリ犬、番犬、などと書かれていたのを憶えている。
幼な心に、ソリ犬とか、番犬とか人間に働かされて可哀想だなあ、と思っていた。
秋田犬のところには「番犬」と書いてあったと思う。
大人になってから秋田犬と暮らしてみたら認識は180度変わった。先代犬の秋田犬は、自分で何か仕事を任せてもらいたくて仕方ないと思っていて、しかし僕はマタギではないので、熊猟に連れて行くわけにもいかない。
結局、先代犬は自分で誇り持って職業として番犬を選んでいる。タダ飯は喰いたくはないってことらしい。イヌって偉いなあ。
家の中より外に出たがり、庭の一番見晴らしの良いところで伏せをしている。外敵が近付いて来ないか見張っていたのである。
見出し写真の「秋田犬に覚悟」のプレートは、働き者の先代犬のためにオーダーした。
これで空き巣や強盗は、まず入って来られないだろう。
「カナデ、何しているの?」
(ん?あ、ジロさん、いた、アタシ見張りが好きなの)
カナデも自分で番犬の道を進むのかな。
「カナちゃん、弱虫なのに、ちゃんと務まるの?」
修行をもっと積もうね。